アメリカ・ベルリンを拠点に活動しているアーティスト、エリザベス・ペイトン(Elizabeth Peyton)が東京の原美術館にて、1月21日(土)~5月7日(日)に日本初の個展を行う。
本展示では25年のキャリアから自ら選んだ42点の作品が並び、水彩画、素描、絵画など多岐に渡って制作された絵画を楽しむことができる。
今回先立って内覧会へ行ってきたが、描かれた対象も歴史上の人物から身近な人物まであり、過去から今を見渡せる透明感ある作品はとても良い時間をくれた。
エリザベス・ペイトンは日本ではあまり有名でないかもしれない。
アメリカに生まれた女性アーティストのペイトンは、カートコヴァーンやデヴィッドボウイ、シドヴィシャスなどのミュージシャンから、バイエルンのルートヴィッヒ2世、身近な人物やペットまで、どんな題材でも素朴さと必然性を兼ね備えたタッチで愛情持って描き、アメリカを始め様々な国で評価されている。
原美術館での展示も、水彩や色鉛筆であっても、絵の具であってもそのタッチが全然変わらず、画材の良さも際立っていてどの作品もとても良かった。
私がはじめてペイトンを知ったのは約10年前、同級生の家で見せてもらった画集だった。それから時は流れて私は絵画を描かなくなった。
会場にいたエリザベス・ペイトンは、凛とした見た目でありながら優しい笑顔ではじめて話す私に対しても愛情を持って接してくれた。画集が欲しかったので買った後少しお話させていただいたら、来てくれてありがとうという言葉と共にサインを書いてくれた。
短いやりとりの中でも彼女のチャーミングさがよくわかって、なぜこんな優しい目線で絵を描けるのか腑に落ちた。
作品からは対象への思いが伝わる。(それはアートを見る目があるとか無いとかではなく、自然と感じられるものだと思う。)
だから私はペイトンの絵が好きで、なんだか久しぶりに絵を描きたいという純粋な気持ちを思い出した。
原美術館という家のような空間での開催も必然的だ。この展示はとても貴重で必見だと思うので、少しでも気になる方はぜひ見に行ってほしい。展示カタログは2月末頃できるようです。
絵画は、一瞬一瞬の時間の蓄積である。あるいは時間をかけて生じるものである。絵画とは、それ自身が必要とするものをすくい上げていく作業だ。絵画の中で起きていることをただじっと観察する。絵画は時間とともにある、それゆえ大きな影響を持つものとなる。(会場パンフレットより)
本記事の写真提供:チバヒデトシ Twitter Blog (チバさんありがとうございました!)
『エリザベス ペイトン:Still life 静/生』
会期:2017年1月21日(土)~5月7日(日)
会場:原美術館
〒140-0001 東京都品川区北品川4−7−25
時間:11:00~17:00(祝日を除く水曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(3月20日は開館)、3月21日
料金:一般1,100円 大学・高校生700円 小中学生500円
コメントを残す