ラリー・クラークからのお返し「TOKYO100」でプリント写真を15,000円で販売




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ニューヨーク、パリ、ロンドンに続き、東京で9月23日に開幕した展覧会「TOKYO 100」に、初日から多くのキッズ達が押し寄せている。目当ては鬼才ラリー・クラーク(Larry Clark)のオリジナル写真だ。通常は高額で取引されている作品を、破格とも言える1枚1万5,000円で販売するという決断に至ったのは、「自分がハッピーに死ぬためのお返し」だという。来日した73歳のラリー・クラークに、その真意を聞いた。

出典: 【インタビュー】73歳ラリー・クラークがなぜ破格で作品を売るのか?KIDSとの深い関係 | Fashionsnap.com

 

2016年9月23日から30日まで、ラリー・クラークが東京明治神宮前で展示を行う。展示といっても、観客は箱に入ったたくさんのプリント写真を自由に手に取り、気に入ったものがあれば15,000円で購入できるというスタイルだ。そのため混雑している場合の入場は入れ替え制となり、15分〜20分程の鑑賞時間となっている。

ドラッグに耽る若者の写真集「TULSA」で鮮烈な印象を残し、映画監督としても活躍してきた彼はなぜこのような展示を行ったのか、インタビューで彼はこう語っている。

「死ぬ可能性もあった手術を経て、家を見渡してみたら、4×6のカラー写真が何千枚も床に散らばっていた。「僕の死後に写真達はどうなるのだろう」と考えた時に、キッズ達に向けて売るのはどうかな、と思いついた。一枚100ドルだったら手の届く値段だし、僕の人生のお土産にもなると思ったんだ。」

展示3日目に会場を訪れたが、彼の言葉通り東京での展示には若者が列をなして並び真剣に写真を見て(選んで)いた。

私は思春期に見た彼の写真集や映画が痛くて辛くて、当時は自分の中でうまく消化できなかった。

何年かの時が経ち、展示会場の前で若い人と楽しそうに喋ったり孫の写真を見せるラリー・クラークの姿をこの目で見て、そして自分で何百枚という写真を手にとって眺めていると写真に写っている若者の姿を瑞々しいと感じるようになっていた。

そんな自分の中での感じ方の変化を大事にしたくて、私も写真を一枚選んでみた。

同じ作品やアーティストであっても時が変われば感じ方が変わる。それは作品の変化かもしれないし、自分が変わったのかもしれない。私はそれを忘れたくないと思った。

展示は短い期間だが、ラリー・クラークが気になっている人にはぜひおすすめだ。

 

■LARRY CLARK「TOKYO 100」
期間:2016年9月23日(金)〜9月30日(金)
時間:12:00〜19:00
場所:東京都渋谷区神宮前2-32-10 GALLERY TARGET




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