高田馬場にあるオルタナティブスペース「Alt_Medium」では、11月3日より嶋田篤人による個展「思わぬ壺」を開催しています。10月にオープンしたばかりのスペースの第二弾展示ということで期待して伺いました。
「思わぬ壺」
房総半島で写真を撮る。
私はここで写真を撮るのが好きだ。
ここは私の故郷である。
「房総半島で写真を撮る」という作家の言葉の印象とは異なり、房総半島を撮っているのか、そもそも何を撮っているのか、一見してわからないものもある。しかし近寄りじっくり見ていると、水面のきらめきであったり緑の色合い、そして光の存在感に目を奪われる。
写真というものが光をもって像を焼き付けるという行為であることをわからされると共に、モノクロが描くその質感の瑞瑞しさ、技術の高さに心地よく驚かされる展示でした。
壺や木々、彫刻(?)など人が関わっているものや、雨粒や線路沿いの緑を見ながら、世界が美しく見えるのは人の手が何かを作ってきたことと、自然の美しさの両方が光によって「見える」からなのだろうと感じました。当たり前かもしれないけれど、写真が光によって世界を写してくれたから私は改めてそう感じたのです。
Alt_Mediumに伺うのは2度目でしたが、前回の展示の色鮮やかさとは違った印象の空間に変わっていました。
しかし今回の写真の、決して思うようにならない、思いがけないものを写す偶然性(必然のようなものも感じる)と、前回展示の火薬による瞬間の美しさを焼き付ける作品には通じるものを感じます。
そんな風に同じ場所へ通うことで得られる面白さも感じ始めており、ではこれからこの空間を彩っていくのものは何なのか、どう変化していく姿を見れるのかと期待している自分がいます。
元々モノクロームの写真に惹かれるのですが、かなり気になる作家です。おすすめです!
嶋田篤人「思わぬ壺」
会期:2016年11月3日(木)〜27日(日)
OPEN:木〜日曜日、10月10 日(月・祝)
営業時間:12:00〜20:00
会場:Alt_Medium
住所:〒161-0033
東京都新宿区下落合2-6-3-102(下落合二丁目歩道橋そば)
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Website:Alt_Medium
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